ふぃりあ ふぃりあ第参話【蘭丸】陸 幻覚 「ほう…… 」無限回廊はリンドウという女の仕業が白日に晒され、人外の湧き出る理由が今度は解らぬが……当主曰く息子、八千代の霊媒体質と関連付けるとすると……するとだ?私の瞳に移った八千代の側におる女が誰なのかが気になる。「当主よ? 聞く... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第参話【蘭丸】伍 蟲 気付きが産まれたのは今回での出来事さ。 地下牢を思わせる回廊入り口。 『アキツグ様! 』 掛けられた声に反応することも無く私の左腕は転がったのさ。 生来痛覚と言う物が私には無いに等しいのでね。 左腕を落とされたわけよ。 私も無限に続く... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第参話【蘭丸】四 迷子 「迷ったさ…… 」 俺の愛した女が死んで八千代を産んだと言うのか? しばし待ち母親代わりを連れてくるのかをな。 不思議と女は俺の家に馴染んだ。 従者共はこの女を親しんだ。 私は八千代の為と思い、八千代が懐けばこの家の引継ぎも兼ねて婚... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第参話【蘭丸】参 話 「旦那様…… 」 酒に刺身と運ばれて宵が迫る頃であると思ったのさ。 「久我よ? 俺と共に来てくれぬか? 」 酒は頂くとするかな…… 「断る…… 」 当主よ。 私のやり方に歩を合わせると死んでしまうぞ。 だが行こう。 私が無限無き事を... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第参話【蘭丸】弐 試練ヲ終エ 「久我様…… 」主人の無許可で私を探しに来たというにはご苦労な接待であったぞ。「気にするな。 お前にもお前の事情があろう 」老婆もこちらの思うことを考えたのであろうな。「ここからまずは主人と御対面となります 」深く頭を下げずとも... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第参話【蘭丸】 文、届ク 【裏のつかさ】 から来た知らせが何だったのかは余り覚えてはおらん。秋風の吹き始めた宵闇に、初めて演奏されるオーケストラと言うに相応しい曲が虫達総出で奏でる頃であった。鴉より知らせがありアーニャが読み上げたとさ。『久我ノ長兄ヘ試サレ... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】陸 徳手勝手 「どれ小雪の速さについていけそうもないのでね 」 ズボンのポケットから和紙、数枚地面に放るだろう…… 落ちたと同時にこうさ。 一枚目は白い大輪の花が咲く。 二枚目に葡萄の蔓が絡まりながら弓矢が現れ。 最後に赤い髪の女が上半身だけ... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】伍 蜘蛛 『オ前ノ中ニアル糸ヲ抜イテヤル 』 アーニャの白銀の糸はそれ自体が万能の道具。 私には扱えぬ代物だ。 打ち込んだ縛りを文字通り紐解くわけだが、アーニャの意思で触れずして解除出来る。 即ち触れる必要も無い。 「何も…… 変わらないじ... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】四 行キ着ク先 それ以上は何も無く私達は帝都へ帰りましたとさ…… アーニャは歳で言えば14,5か…… 小雪は20だそうだ。 人の成長も何も解らんものだな。 苦労しなくては池から魚を釣り上げられぬ…… 食欲は食事の時に湧く…… どちらも露西亜... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】参 小雪 「小雪よ、お前はあいつを愛していたのか? 」 あいつはな、お前を本気で愛しているからこそ向き合ったのだと思うぞ。 下らん感情だけでお前を都合よく使いたいのであれば、余計なお世話と思うこともされたりはせぬだろう? しかしな、お前のつい... 2017.05.05 ふぃりあ