ふぃりあ ふぃりあ第参話【蘭丸】 文、届ク 【裏のつかさ】 から来た知らせが何だったのかは余り覚えてはおらん。 秋風の吹き始めた宵闇に、初めて演奏されるオーケストラと言うに相応しい曲が虫達総出で奏でる頃であった。 鴉より知らせがありアーニャが読み上げたとさ。 『久我ノ長兄ヘ... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】陸 徳手勝手 「どれ小雪の速さについていけそうもないのでね 」 ズボンのポケットから和紙、数枚地面に放るだろう…… 落ちたと同時にこうさ。 一枚目は白い大輪の花が咲く。 二枚目に葡萄の蔓が絡まりながら弓矢が現れ。 最後に赤い髪の女が上... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】伍 蜘蛛 『オ前ノ中ニアル糸ヲ抜イテヤル 』 アーニャの白銀の糸はそれ自体が万能の道具。 私には扱えぬ代物だ。 打ち込んだ縛りを文字通り紐解くわけだが、アーニャの意思で触れずして解除出来る。 即ち触れる必要も無い。 「何も…… 変わ... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】四 行キ着ク先 それ以上は何も無く私達は帝都へ帰りましたとさ…… アーニャは歳で言えば14,5か…… 小雪は20だそうだ。 人の成長も何も解らんものだな。 苦労しなくては池から魚を釣り上げられぬ…… 食欲は食事の時に湧く……... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】参 小雪 「小雪よ、お前はあいつを愛していたのか? 」 あいつはな、お前を本気で愛しているからこそ向き合ったのだと思うぞ。 下らん感情だけでお前を都合よく使いたいのであれば、余計なお世話と思うこともされたりはせぬだろう? しかしな、お... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】弐 女ノ家ヘ 「女の家へ行こうかと思うぞ 」 『イッショニマイリマス 』 覗き趣味があるわけではないのだが、又八郎よ? 何故死ぬ事を選んだのだ? その家はな、門構え立派で、不自由など無い暮らしが見て取れる家だな。 私はこの身分でな、身構えたのは... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】 又八郎 腐れ縁と言えば良い物か? その男は家を捨てて生きる事を選んだ。 どちらかと言えば不幸な男で、女に関しては恵まれぬものだった。 それが三十を越えて十も離れた女と結婚すると言うから、腐れ縁もここで切れる事になると思ったのさ。 連日私の屋... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第壱話【猫叉しゃん・・・・・・】参 戦イ ふむ? 一尺先すら見えぬ闇夜、山道を童の母様探すとなりては折れるものがあろうな。 麓へ行くまでのこの道は獣アヤカシ潜む予感。 解らんでも無い、女を求め飢えたオスがここを上るのだろう? 寸前で止められた欲望の膜ほど張り詰めて成熟し... 2017.05.05 ふぃりあ
ふぃりあ ふぃりあ第壱話【猫叉しゃん・・・・・・】弐 売春宿ニ参ジル 駅について参じたのは売春宿の頭目なり。 「あぁ、こういう場所に縁無いものだから緊張してしまうね 」 『ナリマセン 』 頬を膨らませるのは帝國でも露西亜でも変わらぬものか。 出来るならアーニャにこんな世界など見て欲しくは... 2017.05.05 ふぃりあ