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ふぃりあ

ふぃりあ第参話【蘭丸】

文、届ク 【裏のつかさ】 から来た知らせが何だったのかは余り覚えてはおらん。 秋風の吹き始めた宵闇に、初めて演奏されるオーケストラと言うに相応しい曲が虫達総出で奏でる頃であった。 鴉より知らせがありアーニャが読み上げたとさ。 『久我ノ長兄ヘ...
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ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】陸

徳手勝手  「どれ小雪の速さについていけそうもないのでね 」  ズボンのポケットから和紙、数枚地面に放るだろう……  落ちたと同時にこうさ。  一枚目は白い大輪の花が咲く。 二枚目に葡萄の蔓が絡まりながら弓矢が現れ。  最後に赤い髪の女が上...
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ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】伍

蜘蛛   『オ前ノ中ニアル糸ヲ抜イテヤル 』  アーニャの白銀の糸はそれ自体が万能の道具。  私には扱えぬ代物だ。  打ち込んだ縛りを文字通り紐解くわけだが、アーニャの意思で触れずして解除出来る。 即ち触れる必要も無い。  「何も…… 変わ...
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ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】四

行キ着ク先      それ以上は何も無く私達は帝都へ帰りましたとさ……  アーニャは歳で言えば14,5か……  小雪は20だそうだ。  人の成長も何も解らんものだな。  苦労しなくては池から魚を釣り上げられぬ……  食欲は食事の時に湧く……...
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ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】参

 小雪  「小雪よ、お前はあいつを愛していたのか? 」  あいつはな、お前を本気で愛しているからこそ向き合ったのだと思うぞ。  下らん感情だけでお前を都合よく使いたいのであれば、余計なお世話と思うこともされたりはせぬだろう?  しかしな、お...
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ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】弐

女ノ家ヘ 「女の家へ行こうかと思うぞ 」 『イッショニマイリマス 』 覗き趣味があるわけではないのだが、又八郎よ? 何故死ぬ事を選んだのだ? その家はな、門構え立派で、不自由など無い暮らしが見て取れる家だな。 私はこの身分でな、身構えたのは...
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ふぃりあ第弐話【ヂンカクノ果テ】

又八郎 腐れ縁と言えば良い物か? その男は家を捨てて生きる事を選んだ。 どちらかと言えば不幸な男で、女に関しては恵まれぬものだった。 それが三十を越えて十も離れた女と結婚すると言うから、腐れ縁もここで切れる事になると思ったのさ。 連日私の屋...
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ふぃりあ第壱話【猫叉しゃん・・・・・・】参

戦イ ふむ? 一尺先すら見えぬ闇夜、山道を童の母様探すとなりては折れるものがあろうな。  麓へ行くまでのこの道は獣アヤカシ潜む予感。  解らんでも無い、女を求め飢えたオスがここを上るのだろう?  寸前で止められた欲望の膜ほど張り詰めて成熟し...
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ふぃりあ第壱話【猫叉しゃん・・・・・・】弐

売春宿ニ参ジル 駅について参じたのは売春宿の頭目なり。  「あぁ、こういう場所に縁無いものだから緊張してしまうね 」  『ナリマセン 』 頬を膨らませるのは帝國でも露西亜でも変わらぬものか。  出来るならアーニャにこんな世界など見て欲しくは...
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